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1.青蔵鉄道(青海・チベット鉄道)
・青海省の省都:西寧からチベット自治区の区都:ラサまで全長1956km
・1958年着工2006年完工47年世界の屋根を走る鉄道
・世界最高の海抜 5068m:タングラ駅
・世界最高の海抜の凍土トンネル 4905m:風火山トンネル
・世界最長の高原凍土トンネル 海抜4767m:全長1686m:崑崙山トンネル
・世界最長の鉄道橋 全長11700m:清水河特大橋
・高原凍土鉄道の最高時速 凍土地帯区間の時速100km、一般地帯の時速120km
・青海湖 ナムツオ湖 ニェンチェンタンラ山脈 |
2.チベット仏教
■ジョカン寺
・ソンツェン・ガンポ王 吐藩王朝 7世紀 チベット統一
・唐の王女 文成公主 ネパールの王女 ティツン 五体投地
・タルチョ:チベットの物質の五元素を現す 下から黄(土)・緑(水)・赤(火)・白(風)・青(空・天)
■ポタラ宮
・チベット仏教:インド伝来の大乗仏教 ゲルク派・ニンマ派・サキヤ派・カギュ派
・マルポ・リの丘(チベット語 赤い山:紅山)南斜面に建つ ダライ・ラマの宮殿
・高さ115m 東西360m 南北300m 総面積41km2 1994年世界遺産
・ポタラ:サンスクリット語:ポタカラ:観音菩薩が住む山 日本仏教:普陀落 |
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・ゾン:行政・司法・寺院が同居したチベット独特の複合建築 一つの行政単位:県
・白宮(ポタン・カルポ)ダライ・ラマの住居・政治を執り行う場所
・紅宮(ポタン・マルポ)歴代ダライ・ラマの霊塔等の宗教の場 3/5の比率
・部屋数:1000を超える
・転生活仏制度 観音菩薩の化身:ダライ・ラマ 阿弥陀如来の化身:パンチェン・ラマ:第二法王
歴史
・11世紀仏教が復興 サキャ派 元朝と共にチベットで覇権
・15世紀ツォンカパ大師 ゲルク派(黄帽派)抗争を繰り返しながら強大化 モンゴルに仏教を布教
・ダライはモンゴル語:大海・ラマはチベット語:上人
・本格的な建設 ダライ・ラマ5世 1645年から1695年 ダライ・ラマ5世死後15年隠す
・1911年辛亥革命 ダライ・ラマ13世 清の駐蔵大臣を追放して独立宣言 激しい戦闘
・1947年インドの独立 チベットの独立を目指す
・1949年成立の中華人民共和国 チベット侵攻
・ラサで大暴動
・1959年ダライ・ラマ14世がインドに亡命するまでの300年間 政治・宗教の中心地
・1965年 チベット自治区
・ダライ・ラマ14世:1935年~:中国国内信仰は禁止 全チベット族の心の支え
3.大清帝国とチベット仏教(平野聡著:「大清帝国と中華の混迷」による)
■中華帝国「明」の朝貢貿易システム 中華 朝貢 互市
・万里の長城の整備 満州人(女真族)主導の国家出現
■大清帝国
・女真族の国家 マンジュ 文殊菩薩 満州
・順治帝とダライ・ラマ5世の会見
・大清帝国の秩序
・5代 雍正帝 「中外一体」
・6代 乾隆帝 絶頂期 未曾有の版図
■中華民族
・曾紀沢(ソウ・キタク):曾国藩(太平天国の乱を鎮圧)の長男:外交官
・藩部:チベット・モンゴル・満州は自主・独立には分類されない「属地」として全世界に明示
・近代領域主権国家としての中国の完成
・中華民族:漢・満・モンゴル・チベットの多民族性をそなえた単一民族
■辛亥革命と五族協和
・孫文「三民主義」:民族・民権・民生の価値を強調 満州人の排除 中華の振興掲げるが
・辛亥革命:1911年
・清の崩壊 北モンゴルとダライ・ラマ政権のチベットの独立・自立の動き 後ろ盾の英・露の関係
・「五族協和」:満州・モンゴル・チベット・トルコ系ムスリム、と漢民族は対等であるとし、清から受け継いだ領域が四分五裂するのを防いだ
4.まとめ
・チベット仏教は270年続いた清朝に大きな影響を与えた
・繁栄を極めたチベットも歴史の流れに翻弄され、近代領域主権国家としての中国に組み込まれた
・清末の諸課題は未だに解決されていない
・清改め一党独裁国家・中国をどのようにとらえれば良いのか
・矛盾と対立の集合体である東アジアを相互協力の地域にできるのか
・日本にとっては古くて、新しい問題
・多くの問題の解決は非常に困難と思う
・しかし、互いに受け入れられる実務的な関係を少しずつ積み重ねていく道しかないのではないか